脳膜炎流行:外科医協会、連邦政府に集団予防接種を要請
昨年末からフリブール州グリュイエール地方でC型脳膜炎が流行しており2月には同地方の19才以下を対象に予防接種を行ったが、全州外科医協会は4日全国の4才以下の幼児と15才から19才の10代に予防接種を受けるよう要請した。
今年1月から3月までの3ヵ月間に脳膜炎にかかった人は83人を数え、昨年同時期の60人をかなり上回っている。通常、脳膜炎患者の10%は死にいたる。連邦政府は集団予防接種を承認しておらず、外科医協会は一刻も早く決断するよう連邦厚遂ヌに要請している。同協会のハンス・ビンツ会長は「この問題は最優先事項として処理しなければならない緊急事態だ。」と深刻な表情で語った。外科医等の要請に対し、連邦厚遂ヌのペーター・ヘルブリング氏は、現況では全国規模の集団予防接種を実施するのは不可能だと、次のように語った。「たとえ我々がスイスの子供達全員に予防接種を受けさせようとしても、ワクチンの製造が間に合わない。どんなに工場に急がせても2、3週間で100万人分のワクチンを製造するなんて無理だ。」。集団予防接種は、政府が承認したら2002年初めには実施のはこびとなるだろう。が、1部の医者は、事態を心配する親の要請に応aAすでに予防接種を行っている。
脳膜炎は、10万人あたり10人が発病した場合「大流行」と見なされ、集団予防接種が必要と判断される。フリブール州は2月、グリュイエール地方の満2ヵ月から19才までを対象に無料予防接種を行い、強制ではなかったものの約10、000人が受けた。
ベルン州でも過去3ヵ月間で脳膜炎流行の兆しがある。昨年1年間で26件だったのにたいし、今年は3ヵ月間で16件が報告されており、年末までには60から80件にのぼると州では予測している。州当局は、過去5年間で脳膜炎は激増しており来年には集団予防接種を実施できるよう準備する必要があるとしている。
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