カカオ豆がチョコレートとお金にかわるまで
シリーズ アフリカから見るカカオ,
エピソード 4:
チョコレートのサプライチェーンは、カカオ豆から製品の板チョコに至るまで、多くの仲介者が存在する。サプライチェーンの底辺にいる人たちは最低限のパイしか得られず、上層部にいる人たちは最も取り分が多い仕組みになっている。
主要なカカオ生産国であるコートジボワールとガーナは、1200億ドル規模のチョコレート産業のうち、60億ドルというわずかな取り分では満足できなくなっている。スイスや欧州連合(EU)、米国は、西アフリカのカカオ生産地での森林破壊や児童労働を批判する。
この業界のパワーバランスはカカオ生産者に比べ、消費者に大きく偏る。スイスのチョコレートメーカー、ネスレ(製菓のみ)、リンツ&シュプルングリ、バリー・カレボーが2021年に得た収益の合計は、コートジボワールとガーナが前年に輸出したカカオ豆の合計額の3倍以上だった。主要なステークホルダーであるこれらの企業は、将来のカカオ生産のあり方をも形成している。
西アフリカは現状を変えたいと考えており、チョコレート産業における自らの役割を再交渉しようとしている。力を合わせ、価値を高めることから、デジタル化や持続可能性への投資に至るまでその範囲は広い。
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