音楽
スイス音楽といえば、必ずヨーデルを思い浮かべるだろう。しかし、スイスの音楽は伝統音楽からジャズ、ラップまであらゆるジャンルに及ぶ。
ヨーデルとスイスは切っても切れない関係だが、ヨーデルのボーカル技術は必ずしもスイス独自のものではない。そもそもヨーデルは、アルプスの放牧地で、遠く離れた場所にいる羊飼い同士がお互いを呼び合うコミュニケーション手段として発達したといわれている。
アルプス各地の民俗音楽を奏でるのは「スイスオルガン(Schwyzerörgeli)」と呼ばれるアコーディオン、クラリネット、コントラバス、アルプホルンだ。アルプホルンはソロやグループでも演奏される。
スイスのアマチュア音楽界も活発で、非常に多くのミュージシャンが活動している。スイス人はコーラス音楽を愛し、村には少なくとも一つのコーラスグループやブラスバンドがあるようだ。スイス音楽の魅力をもっと知りたい方は、下のリンクへ。
クラシック音楽
スイスはクラシック音楽界(英語)をリードする存在ではないが、20世紀を代表する作曲家アルチュール・オネゲル、フランク・マルティン、オトマール・シェックらを輩出した。
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オペラを劇場の外で
指揮者エルネスト・アンセルメが創設したスイスロマンド管弦楽団外部リンク(英/仏語)はスイスに現代音楽の文化をもたらした。現在はチューリヒ、ジュネーブ、ローザンヌ、ビール(ビエンヌ)、ベルン、バーゼル、ルツェルン、ルガーノ、ヴィンタートゥール、ザンクト・ガレンにメジャーなオーケストラがある。シャルル・デュトワやマティアス・バーメルトも世界的に有名なスイス人指揮者だ。
1930年代以降はジャズの人気が高まり、モントルー、ヴィリサウ、ルガーノなどでジャズ・フェスティバルが開催される。また、ベルンにジャズスクール外部リンク(英語)がある。
イベント
夏には、ポップスや民俗音楽、クラシックなど、さまざまなオープンエアコンサートが開催される。
スイスは国際的なクラシック音楽祭を数多く主催している。ルツェルン市の複合コンサートホール(Kultur- und Kongresszentrum Luzern / KKL)外部リンク(英/独語)のイースターコンサートやサマーコンサート、ベルナーオーバーラント地方にあるグシュタード(Gstaad)のメヌヒン(Menuhin)フェスティバル外部リンク、サン・モリッツ(St. Moritz)のスノー&シンフォニー音楽祭などがある。
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スイスのポップミュージック お金とクレイジーさのはざまで
モントルー・ジャズ・フェスティバル外部リンク(英/独/仏語)は毎年開催され、世界中から多くのジャズファンが集まる。また、年間を通して、アメリカのカントリーミュージック、ウェスタンミュージック、ジャズ、ポップスのイベントも多い。
7月にレマン湖の湖畔で開かれるパレオ・フェスティバル外部リンクにも大勢の音楽ファンが訪れる。
夏に開かれるポップス、ロック、ジャズの大きなオープンエアコンサートには、国際的な大物バンドからチューリ・ヴェスト(Züri West)のようなスイスの有名バンドまで幅広い分野のミュージシャンが登場する。
ドイツ語圏では、チューリヒ・オープンエア外部リンク、ベルンのグルテン・フェスティバル外部リンクが有名。
DJ BOBO、Gotthard、Yello、Krokus、The Young Godsなどが国外でも広く知られている。
音楽と言語
ポップスとロックでは、国際市場を意識して英語の歌詞が多いが、スイスの公用語で歌うミュージシャンもいる。
さらに、ドイツ語圏では出身地の方言で歌う人気歌手も多い(このジャンルは「ムントアート(方言)・ロック」と呼ばれる)。
1960年代には自作の曲をギター片手に方言で歌う「トルバドゥール(フォークシンガーの意)」の人気が高まった。皮肉やウィットに富んだ曲をベルンの方言で歌う歌手マニ・マッタ―外部リンク(独語)が有名。マッタ―の歌は歌い継がれ、いまだに人気がある。
※このコンテンツは2017年11月時点のものです。今後は更新されません。
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