「ガーデン・イヤー2016年 出会いの空間」と銘打たれた全国キャンペーンがスイスで行われている。庭園や公園などの自由な空間の維持と発展を目的にしたもので、質の高い都市の集約化において庭園が担う重要性をアピールしている。
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キャンペーンの一環としてリートベルク美術館では、世界中の有名な庭園をテーマにした展示会外部リンクが行われている。そこには、庭にひらめき、恋愛、幸福や逃げ場を求めた人間の姿が見えてくる。
楽園のさまざまなイメージと、楽園を求める人間の姿は展示会の重要なテーマの一つだ。中世からロマン主義に至るまでの欧州の庭園文化が紹介されている。博物館の前には野菜やハーブを植えた現代的な庭が設置され、訪問者の視点を再び現在へといざなう。
展示会には江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿や、クロード・モネ、マックス・リーバーマンなど有名な画家の作品が並ぶ。アイ・ウェイウェイ、ヴォルフガング・ライプといった現代アーティストの作品も展示され、花粉を使ったライプの作品が博物館のフロアに敷かれる予定だ。
インドの絵画に描かれている庭園も展示会の見どころの一つだ。60点以上の作品を通して多様な庭の姿や、自然と人間の密接な関係が示されている。豪華な宮殿を彩る幾何学的な配置の庭や、テラスで討論が交わされる姿、そして静かにたたずむ庭のあずまやで落ち合う恋人たちの姿が描かれている。
(文&写真・リートベルク博物館 翻訳・シュミット一恵)
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1997年から続くローザンヌ・ジャルダンには、まるで伝説のような実話がある。クリストフ・ポンソーさんとアドリアン・ロヴェロさんがローザンヌ中心部の地図の上に前かがみになり、15個ほどの種を手から地図の上に落とす。すると、落ちた場所からは、たくさんの花が咲き乱れる、という話だ。
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