ナビル・アロサイディ氏「報道の自由に対する死刑宣告」
8年近く続くイエメンの内戦では、表現の自由が脅かされている。ジャーナリストのナビル・アロサイディ氏は、「表現の自由を求める世界の声」シリーズのインタビューで、祖国のために戦い続ける熱意をあらわにした。
イエメンでメディアについて語る時、ナビル・アロサイディ氏の名前が出ないことはない。イエメンのジャーナリスト労働組合の組合長として国内外で表現の自由に対する権利を献身的に支えてきた功績で、2018 年に反汚職団体「AWTAD外部リンク」に表彰された。
アロサイディ氏はswissinfo.chの取材に対し、様々な立場の紛争当事者が口にしたという「報道の自由に対する死刑宣告」について語った。「この紛争は日常のジャーナリズムを脅かしている。権力闘争に明け暮れる人々が、ジャーナリストを捕らえて殺害することで一致したためだ」
紛争で故国を追われたアロサイディ氏は、5年前からスイスで難民として暮らしている。来瑞以来、ジュネーブで開かれる国連人権理事会のイベントに数多く参加し、ジュネーブ記者会で会見を開いてきた。また様々なメディアでイエメン紛争の犠牲者の声をすくい上げてきた。NGO「国境なき記者団」によると、現在イエメンはジャーナリストにとって世界で最も危険な国の1つとなっている。
swissinfo.chとのインタビューで、アロサイディ氏は「独立したジャーナリズムと表現の自由を礎にした自由な故郷の姿を夢見ている」と強調した。「そのために戦い続ける」心構えはできている。だがそのためには、イエメンを置き去りにしないという国際社会の後ろ盾が欠かせないと話した。
(独語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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