「ロシアでは新たに100の報道規制法が成立した」
ロシア系ウクライナ人のガリーナ・ティムチェンコ氏(60)は、数年前に生活と仕事の拠点をラトビアに移したジャーナリストだ。ラトビアでインターネットメディアを立ち上げ、厳しい検閲を敷くロシアでは報道不可能となった情報を発信し続けている。


長編および連載マルチメディア作品を専門とする。ジャーナリストと協力して、言語横断的なツールやワークフローを改善し、コンテンツスタイルのコンプライアンスを確保し、革新的なビジュアルテクニックの研究や導入をリードする。 イタリアで生まれアフリカで育ち、現在はスイスが故郷。イタリア国立映画学校で映画監督を学び、ベルリンとウィーンでドキュメンタリー編集者、ディレクター/プロデューサーとして働いた。マルチメディアを魅力的な物語に仕上げるのが得意。
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今回の「表現の自由を求める世界の声」シリーズに登場したティムチェンコ氏は、「言論の自由と情報の自由は私のすべて」と語る。インターネットメディア「メドゥーザ」の編集長を務める同氏は、ロシアが報道の自由と表現の自由への攻撃をここ何年も続けていることを身をもって感じている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナへの攻撃を命じてクリミアを併合し、ドンバス地方の分離主義派を支援した2014年まで、ロシア最大のニュースメディア「lenta.ru(レンタ)」を10年間運営していた。
「ロシア政府は当時、レンタの所有者に私を解雇するよう直接命じた。そこで私はやむを得ずロシアを離れ、ラトビアの首都リガに渡ることにした。リガでは新たなニュースメディア『メドゥーザ』を立ち上げ、ロシアで不可能となった報道の自由を手に入れた。私や同僚全員にとって、それは人生の大きな転換点だった」
ティムチェンコ氏の運営する新たなニュースメディアはロシア語と英語でコンテンツを配信し、ロシアのみならず国際的にも高い人気を博している。「メドゥーザはすべてのソーシャルネットワークやメッセンジャー、ニュースレターを通じて記事を発信するマルチメディア・プラットフォームだ」と同氏は説明する。こうした配信方法により多くの若者を引き付け、今や若者が読者の半数を占める。
しかし、メドゥーザは3月、ロシアのウクライナ侵攻による直接的な影響を受けた。ロシア当局がメドゥーザへのアクセスを遮断したのだ。「それ以来、ロシアでは報道の自由を制限する約100の新法が制定された。軍の検閲が行われ、報道機関が直接的な被害を受けている。100の新聞社が外国の機関とみなされ、反逆罪やスパイ容疑で告発された。こうして何百人ものジャーナリストが国を離れた。プーチン氏が権力を握っている限り、ロシアに報道・表現の自由はなく、人権が尊重されることもないだろう」
英語からの翻訳:鹿島田芙美
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