取材はご法度?ローマのマフィア
イタリアで9月の総選挙を受けた新内閣が誕生する。欧州連合(EU)加盟国である同国に潜む闇を取材するジャーナリストにとっては今後も危険な状況が続く――マフィア取材を機に警察の保護下に置かれている記者フェデリカ・アンジェリさん(46)はこう警告する。

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イタリア人記者のアンジェリさんは長年、警察の保護下に置かれている。きっかけは、ローマにある海岸沿いの町オスティアで活動するマフィアについて取材したルポルタージュだった。「私にとって表現の自由とは、誰も言おうとしないことが言える自由です」と語る。
アンジェリさんは20年以上前に犯罪集団ネットワークに関する調査記事を主要紙レプブリカで発表した。
オスティアを現地取材したこの1本のルポをきっかけに、深刻な脅迫を受けるようになった。「このルポでは社会的な面でもかなり苦労しました。ここローマには、ローマの方言を話すマフィアの存在を信じない風潮があります。イタリアのマフィアは南部にしかいないと考える人が多いのです」。ローマにあるレプブリカ本社の中庭でアンジェリさんがswissinfo.chの取材を受ける様子を、2人の警察官が見守る。アンジェリさんは9年前から24時間体制の警備を受けている。
記事を機に、スパーダ一族が率いる犯罪集団は解散した。この集団は商売をする人に対してみかじめ料を要求するなど、ローマの海岸線一帯で人々に恐怖心を植え付けていた。イタリア最高裁判所は2022年1月、この犯罪集団のボスおよびメンバー17人を被告とする大型裁判の中で、マフィア一族であるスパーダ一族がオスティアで活動していたことを認定し、アンジェリさんの記事の信ぴょう性が確認された。
アンジェリさんは2015年、セルジオ・マッタレッラ大統領からイタリア共和国功労勲章を授与された。その3年後、警察の保護下に置かれた1700日をつづった著書*を発表した。同著は人気を博し、クラウディオ・ボニベント監督のもとで映画化されている。アンジェリさん役には俳優クラウディア・ジェリーニさんが起用された。
アンジェリさんは、現在警察の保護を受けながら生活する20人以上の記者の1人だ。「イタリアでこれだけの数のジャーナリストが警察の保護下にいるのは尋常ではありません」と強調する。「それにとどまらず、欧州を始め世界中の興味をかきたてるほど異常な状態です。イタリアにはまだ明らかにうまくいっていないことがあります」
*A mano disarmata. Cronaca di millesettecento giorni sotto scorta外部リンク, Baldini + Castoldi, 2018
英語からの翻訳:鹿島田芙美
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