スイスの視点を10言語で

新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に

新種のイカの化石
長期間保管されていた場所にちなんで名付けられたイカの化石 SRF/ Swiss Journal of Palaeontology

スイス南部ティチーノ州の約2億4200万年前の地層から新種のイカの化石が見つかり、スイスドイツ語で食器棚を意味する「Chuchichäschtli(クッヒケーシュトリ)」と名付けられた。  

正式学名は「Ticinoteuthis Chuchichaeschtli」。化石が新種だと判明するまで長期間保管されていた食器棚にちなんで名付けられた。「Chuchichäschtli」はスイスドイツ語の発音の難しさを説明する際に使われる言葉としても知られている。

▼「Chuchichäschtli」の意味と発音の仕方を説明するビデオ(英語、ドイツ語)

外部リンクへ移動

名付け親となったチューリヒ大学(UZH)のクリスティアン・クルーグ教授(古生物学)は4日、「当初は同僚にちなんで名付けようと考えたが、化石の外見が非常に見苦しいので、やめようということになった」と経緯を明かした。

化石は数十年前、スイス南部ティチーノ州のモンテ・サン・ジョルジオ(サン・ジョルジオ山)にある有名な化石発掘スポットで見つかった。それ以来、化石はチューリヒ大学の古生物学研究室で箱に入れて保管されていた。最近になり、クルーグ氏が研究員のアレクサンダー・ポーレ氏とともに再調査したところ、同化石が新種であることが分かった。

クルーグ氏によると、保管されている化石コレクションの中から新種を発見するのは珍しいことではない。「新種は引き出しの中にまだたくさん眠っている。いま生存している種は、これまで生存した種の1%程度に過ぎない」

新種の化石は科学誌「スイス古生物学」に発表された。

英語からの翻訳:大野瑠衣子

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

スーダンの状況

おすすめの記事

スーダン停戦交渉、和平合意なく終了

このコンテンツが公開されたのは、 スイス・ジュネーブ地方で10日にわたって行われたスーダン内戦の停戦協議が23日、停戦合意に達することなく終了した。

もっと読む スーダン停戦交渉、和平合意なく終了
スイスのマッターホルン

おすすめの記事

マッターホルンで登山者の滑落死相次ぐ

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの名峰マッターホルンで16 日、登山者が下山中に800m下の氷河に滑落し死亡した。同じ山では14日にも、別の登山者2人が滑落死した。

もっと読む マッターホルンで登山者の滑落死相次ぐ

おすすめの記事

スイス鉄道、国外へ乗り入れせず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB)取締役会長のモニカ・リバー会長は、自社列車で国外に乗り入れないとする同社の決定を擁護した。

もっと読む スイス鉄道、国外へ乗り入れせず
スイス事故防止協議会(BFU)によると、シートベルトの着用により、過去10年間の国内交通事故で負傷事故5700件、約650件の死亡事故を未然に防いだ

おすすめの記事

命を救う後部座席のシートベルト スイスで義務化30年

このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは、30年前から車の後部座席のシートベルト着用が義務付けられている。スイス事故防止協議会(BFU)と連邦統計局の最新データによって、この安全対策の有効性が裏付けられた。

もっと読む 命を救う後部座席のシートベルト スイスで義務化30年
握手を交わすスイスのアムヘルト大統領と岸田首相

おすすめの記事

アムヘルト大統領、岸田首相と会談 FTA改定を改めて要望

このコンテンツが公開されたのは、 訪日中のヴィオラ・アムヘルト大統領兼国防相は7日、官邸で岸田文雄首相と会談し、日本・スイス間の自由貿易協定(FTA)改定というスイスの要望を改めて表明した。

もっと読む アムヘルト大統領、岸田首相と会談 FTA改定を改めて要望

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部