UBS、スイスフランのユーロ・ペグを警告
スイス最大手銀行UBSは、スイスフランの安値が続くユーロとの連動制は、スイス国立銀行が金利を上げざるを得なくなり、スイスフランの国際投資通貨としての地位を脅かすと、警鐘を鳴らしている。
スイス最大手銀行UBSは、スイスフランの安値が続くユーロとの連動制は、スイス国立銀行が金利を上げざるを得なくなり、スイスフランの国際投資通貨としての地位を脅かすと、警鐘を鳴らしている。
24日発表されたUBSグループ経済研究部(チューリッヒ)の調査によると、スイスフランのユーロ・ペグ制度を続ければ、スイス国立銀行が低金利を保てなくなり、国際投資通貨としてのスイスフランの信頼性を失うことになる。また、今後EUが東欧や中欧諸国の加盟を認めた場合、ユーロとの連動はスイスフランの安定性をさらに脅かすことになると警告した。
さらに、ユーロはスペインやイタリアなどには通貨安定をもたらしたが、スイスのように長年独自通貨が安定している国には当てはまらない。スイスフランが独立通貨でなくなれば、有価証券やアセット・マネージメントビジネスは重要性を失うという、スイス経済への影響も指摘した。スイスでは、アセット・マネージメントだけでも50、000人就業者がいる。
1999年1月のユーロ導入以来18ヵ月間は、スイスフランとユーロのレートは、1ユーロ=1.6スイスフランで安定していた。が、昨年12月にスイス国立銀行が金融政策を変更した後は、スイスフランは独立性を取り戻し、現在1ユーロ=1.5スイスフランで取り引きされている。
UBSグループの首席エコノミスト、ペーター・ボムバーガー氏は、調査報告はスイスのEU加盟反対への意見書ではなく、経済的展望の審査だと強調した。
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