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UBSの窮地、いまだ解決ならず

アメリカのサブプライムローン市場の崩壊で、銀行史上最大の窮地に立たされるUBS銀行 Keystone

スイス最大手UBS銀行は7月1日、10月付けで4人の理事が退任することを発表した。一方、再び大きな赤字が予想されている第2四半期の業績は発表されなかった。しかし、この日の同行の株価は一時19.81フランまで下がり、10年以来の安値を付けた。

米フロリダ州の裁判所はアメリカのUBSに対し、顧客の情報を開示するよう要求していたがこの日、これが合法と認められた。UBS銀行はスイスとアメリカで大きな窮地に立たされ続けている。

止まらない株価の下落

 1年以上前、サブプライムローン関連の取引で大きな赤字を計上したUBS銀行はこのほど、大幅に役員を入れ替えることにした。4月にはマルセル・オスペル最高経営責任者 ( CEO ) が辞任を発表し、新たにペーター・クーラー氏が就任したばかり。同氏の今回の改革は、役員とマネジメントの役割を明確に分担し、コーポレートガバナンスを強化するのが目的だという。「オスペル時代」に終止符を打ち、拡大した「経営陣オフィス」の縮小を図った。このほど退任を表明した4人の中には常任の副会長シュテファン・ヘーリンガー氏が含まれるが、常任副会長は今後置かない方針で、非常任の副社長セルジオ・マルキオーネ氏 ( フィアット社 ) の権限が拡大されるもようだ。

 UBSはアメリカのサブプライムローン市場の崩壊で最も被害を受けた銀行の一つに数えられ、すでに400億フラン ( 約4兆円 ) の損失を計上し、2度にわたる増資を行った。第2四半期の業績について同行は今回何も触れていないが、経済アナリストたちは20~50億フランのさらなる赤字を予想している。

 UBS銀行の株価は7月1日、19.81フランまで一時下落し、UBS銀行がスイスバンクコーポレーション銀行 ( SBC ) と合併して以来の最安値をつけた。さらに、前回の増資での株価より1フラン以上安いことも指摘される。株価の下落の理由は、アメリカにおける同行の脱税容疑問題が未解決にあることだ。フロリダ州のマイアミ裁判所は、同行に顧客の情報を開示するよう求めたが、このほど、この要求は合法であると認められた。

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アメリカのサブプライムローン市場の崩壊により、スイス最大手UBS銀行が大きな損害を被っている。
2007年10月には、1500人の解雇と共に投資部門の大幅縮小を図った。また、同月には42億フランの損失を発表し、第3四半期の赤字は7億2600万フランとなった。赤字計上は9年以来始めて。
しかし損失は続き、12月には200億フランの損失と130億フランの増資が発表された。増資にはシンガポールと中東の資金が流入した。
2008年1月には40億フラン、4月には190億フランの損失が明らかになり、オスペル最高経営責任者の辞職も発表された。
5月には5500人の解雇と同時に第1四半期の業績が発表され、ここでも115億フランの損失が明らかになった。

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