スイス西部のフリブール州立病院外部リンクが、前立腺がんと乳がんの治療に向け地元の個人総合病院とタッグを組んだ。両病院の専門医による委員会を設立、連携して患者の治療に当たるスイス初の試みで、国外からも注目されている。
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委員会は「Tumour Boards(腫瘍委員会)」という名称で前立腺がん、乳がんの治療部門にそれぞれ設立。個人総合病院ダレー外部リンクと州立病院の泌尿器科医、がん専門医、放射線腫瘍医、病理医、その他の医療関係者が集まる。
前立腺がんは男性では最も多いがんで、スイス国内では毎年5千件の症例が新たに見つかっている。そのうち150件がフリブール州内の患者だ。乳がんは女性で最も発症しやすいがんで、同じく毎年5千件の症例が新たに見つかっている。スイスでは8人に1人が乳がん経験者だ。
委員会が出来る前、州立病院では婦人科医が単独で乳がんの治療に当たっていた。個人総合病院と州立病院が連携することにより、均一的で効果の高いがん治療を実現するのが狙いだ。混乱を避けるため、患者には治療が終わるまで一人の看護師が専属で付く。患者の一人はフランス語圏のスイス公共放送(RTS)の取材に「がんの専門医、遺伝学者、心療内科医に助けられた。病気のこともあり心細かったが、とても心強い」と語った。
(英語からの翻訳・宇田薫)
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