再生可能エネルギーが、超人気
4月17~20日、フリブール ( Fribourg ) 市 で行われた再生可能エネルギー展「エネルギシマ ( energissima ) 」では、専門家はさることながら一般の人々の入場が目立った。
温暖化の脅威を身近に感じる今日、再生可能エネルギーは明日にも家庭で利用したいエネルギーになっているからだ。
およそ1万4500人の入場者を数えた再生可能エネルギー展エネルギシマには、太陽エネルギー、風力エネルギー、地熱エネルギー、バイオマスエネルギーなどあらゆる再生可能エネルギーが展示された。専門家はもちろん、一般の人々、家族、学生などが、今すぐ利用できるエネルギーを求めて会場を訪れた。人気が高いのは地熱エネルギーと太陽エネルギーだという。エネルギシマの広報担当ピエール・シュバレー氏に話を聞いた。
swissinfo : こうした展示会の目的はなんでしょうか?
シュバレー: エネルギシマでは、再生可能エネルギーに興味を持っている一般の人たちとこの分野の専門家を対象に、再生可能エネルギーに関係した技術、経済的側面、エネルギー効率などに分類して展示しています。
150の展示スタンドがありますが、目的は「エネルギー問題の解決策を探す人々のためのプッラトフォーム」なのです。
swissinfo : 大型企業の展示も目につきますが、一般の人たちは、何を求めて来るるのでしょうか?
シュバレー : ここに来た一般の人たちは、はっきりとした目的のある人たちで、多くが家を新しく建てるか、建て替えようする人たちなのです。重油タンクを設置する代わりに、ほかのエネルギーを使えないかと考えている人たちです。いわば、エネルギー消費者から、生産者の立場に自分を置き換えエネルギーを見ようとしています。
彼らにとってすぐに実現できるのが、ソーラーパネルや風力発電機の設置でしょう。ここは、将来の夢を探る場ではなく、明日にでも実現できる、今ある技術の展示会なのです。
swissinfo : 確かに住居関係のスタンドが目立ちますね。
シュバレー : スイスでは国が再生可能エネルギー生産を支援して以来、それを生み出す製品が増え、個人の興味も広がりました。
今回、もちろん専門家が専門家にアピールするスタンドもあって、この場合はエネルギー生産施設の規模は大きなものになります。
ところで、もう1つ、15カ国の大使たちが見学に訪れていることも特記すべきことです。彼らは自分たちの国で使える再生可能エネルギーを探っています。そしてスイスが持っている技術に非常に興味を持っています。
swissinfo : 今年石油の値段が高騰したことも、今回のエネルギシマの成功につながっていますか?
シュバレー : もちろんです。原油の急騰で、再生可能エネルギーの設備投資は長い目でみれば決して高くなくなったし、必要な投資になってきています。
しかし、どのエネルギーを使うかは、冷静に判断しなくてはなりません。すべてが良いわけではないからです。例えば、バイオマスエネルギーですが、このエネルギーは資源不足のため数週間前から問題になっています。
swissinfo : 傾向として、何が人気のあるエネルギーですか?
シュバレー : 現在人気のあるエネルギーは、地熱エネルギー ( 放射性物質によって地下で発生する熱を利用するエネルギー) と太陽エネルギーです。実際この2つが一番安価なエネルギーなのです。
また、この2つは、家庭内の風呂や洗面所など衛生施設用の水を非常に簡単な設備で温められます。この2つのエネルギーがこれからも一般の人にとっては、一番人気の高いエネルギーになっていくと思います。
swissinfo、オリビエ・ポシャー 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 訳
今年で 2回目を迎える同展は、4月17~20日、フリブール市 ( Fribourg )で行われた。2009年は4月23~26日に予定されている。
今年は1万4500人の入場者を数え、昨年より45%増であった。
2009年からは、国際展にしようと試みている。
駐車場もいっぱいになることを見越した開催者は、入場料から1フラン ( 約100円 ) 差し引き、それを入場者が排出した二酸化炭素 ( CO2 ) の代償として、環境関連の基金「マイ・クライメト ( My Climate ) 」に贈った。
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