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石破政権、宮崎空港の不発弾爆発、コメ不足…スイスのメディアが報じた日本のニュース

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スイスの主要報道機関が先週(9月30日〜10月6日)伝えた日本関連のニュースから、①石破政権、早くも二重の試練に直面か②宮崎空港で不発弾爆発③コメ不足、原因は?の3件を要約して紹介します。 

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石破政権、早くも二重の試練に直面か 

ドイツ語圏大手紙NZZは30日、衆院解散・総選挙の方針表明に踏み切った自民党の石破茂新総裁に関し、東京特派員マルティン・ケリング記者の記事を配信しました。  

ケリング記者はまず、石破氏の経済政策への警戒感から株価が1900円超下落した前日の「石破ショック」に触れ、「これほどの下落で迎えられた新政権のトップはいない」と伝えました。政権発足直後は世論も好意的に見る傾向があることから、選挙は早い方が有利となる可能性があるとの見方を示す一方、自民党が繰り返してきた「政治とカネ」の問題を鑑みると、今回も同様になるかどうかは懐疑的だとしています。 

また、石破氏は党総裁選で富裕層や一部企業の金融所得課税の強化だけでなく、最低賃金の全国平均1500円引き上げ目標を2030年代半ばから20年代に前倒しするなどと主張していたにもかかわらず、当選後に穏健な態度をとっていると指摘。石破氏は早くも、有権者の信頼と金融市場の信頼を取り戻さなければならないという二重の試練に直面していると結びました。(出典:NZZ外部リンク/独語) 

宮崎空港で不発弾爆発 

宮崎空港(宮崎市)で2日、滑走路と駐機場をつなぐ誘導路に埋まっていた不発弾が爆発し、滑走路が閉鎖された事故は、スイス全土で広く報じられました。 

各紙は、同空港はかつて神風特攻隊が出撃した旧日本海軍の航空基地で、爆発したのは第2次世界大戦時に米軍が投下した不発弾であったことを伝えました。 

フランス語圏ではAFP通信の記事が日刊紙ル・マタンや無料紙20min.などに掲載され、宮崎空港や周辺では2009年と2011年にも米国製不発弾が見つかっており、不発弾は現在も日本各地で発見されていることを報じました。昨年度に全国で処理された不発弾は2348個(約37.5トン)だとするロイターの報道にも言及しています。 

ドイツ語圏では多くのメディアが、陥没した現場の写真や爆発時の映像とともに事故の様子を伝えました。 (出典:ル・マタン外部リンク20min外部リンク./仏語、BZ外部リンクwatson外部リンク20min.外部リンクAargauer Zeitung外部リンクTA外部リンク/独語、Bluenews外部リンク/伊語) 

日本のコメ不足の原因は? 

夏から続いていた日本のコメ不足。スーパーにようやくコメが並びはじめていますが、価格は1年前より2割ほど高いままです。ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)は東京特派員のマーティン・フリッツ記者をラジオ番組に招き、日本におけるコメ不足の原因について話し合いました。 

番組では、コメ不足の主な原因として、政府の生産調整と気候変動による不作を挙げました。ただ、原因はそれだけではありません。フリッツ氏は「地震を不安視した国民の一部によるコメの買い占めや、外国人観光客による寿司の消費」もコメ不足の一因だと指摘しました。 

さらに、炊飯にかかる手間や時間があることから、日本ではパンや麺類を食べることが増えていることにも言及しました。

同氏は、9月のコメ不足は、日本のコメ供給の脆弱性を浮き彫りにしましたが、それが日本にとってプラスになる可能性があると考えています。「外国人観光客のコメに対する食欲は、日本人にとってコメがいかに日本文化の重要な要素であるかを思い出させたのではないか」(出典:SRF外部リンク/独語) 

【スイスで報道されたその他のトピック】 

話題になったスイスのニュース 

先週、最も注目されたスイスのニュースは「チューリヒ、男がナイフで園児襲撃 命に別状なし」(記事/日本語)でした。他に「石破茂氏が自民党新総裁に スイス主要紙はどう報じたか」(記事/日本語)、「ベースジャンパーがラウターブルンネンで転落死」(記事/英語)も良く読まれました。 

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次回の「スイスで報じられた日本のニュース」は10月14日(月)に掲載予定です。 

校閲:上原亜紀子

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