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仏グルノーブルでソーラー・テンプル集団死事件公判始まる

ミシェル・タバクニク元ジュネーブ管弦楽団指揮者(中央) Keystone

1995年12月仏グルノーブルでカルト教団ソーラー・テンプルのメンバー16人が集団死した事件に関与したとされるミシェル・タバクニク前ジュネーブ管弦楽団指揮者の公判が17日グルノーブル裁判所で始まった。94年スイス西部で集団死した同教団のメンバー48人の遺族らは、スイス当局に事件の再捜査を迫る事実が解明されるのではないかと期待して見守っている。

タバクニクは、死によって滅亡する地球から他の惑星へ移り垂ォ残るという教義を教団員に広め自殺を示唆した中心人物だとされている。この教義のため94年から97年の間にスイス、フランス、カナダ・ケベック州でソーラー・テンプルのメンバー合計74人が集団死する事件が起きた。この事件に関与した個人の裁判が行われたのは初めてだが、タバクニクは関与を否定している。

スイスのヴァリス州Grans-sur-Salvan(25人)とフリブール州Cheiry(23人)で集団死した48人の遺族らは、この裁判を機に今まで何も明らかになっていない事件の何か1つの事実でも明るみに出るのではないかと期待している。遺族の弁護団代表ジャック・バリヨン弁護士は、「我々は真実を知りたい。遺族らは何年も理解不足や当局、特にスイス当局の事件捜査に対する厳正さ不足に耐えなければならなかった。」と訴える。スイス当局は、教団創設者のジョセフ・ディ マンブロとルーク・ヨーレットがヴァリス州での集団死で死亡したため捜査を行わなかった。「スイス当局が捜査をしていれば、我々は今日グルノーブルになどいなかっただろう。」と言うバリヨン弁護士は、2週間の公判でスイス当局を事件の再捜査に動かすような証拠が出る可能性もあると語った。

タバクニクが実際にソーラー・テンプルで果たした役割は明らかになっていないが、swissinfoの取材に対し本人は一切の関与を否定、「わたしは単なるスケープゴートだ。わたしの子供達の母親を殺したと、本気で思われているのだろうか。」と語った。彼の先妻クリスティンさんは、グルノーブルで集団死した1人だった。仏当局は、タバクニクが教団創設者および幹部の1人で、スイスでの集団死の10日前に開かれた集会でソーラー・テンプルの終末を予言したと主張する。これに対し、タバクニクは、90年代初めに教団の活動に関わったことは事実だが、終末思想に取り付かれていたのはディ マンブロで、自分は友人であったディ マンブロに裏切られたと訴えている。

バリヨン弁護士は、グルノーブルの公判は全ての遺族にとって真実に迫る突破口を開く重大な機会だと言う。「ソーラー・テンプルの集団死は、個別の事件ではない。スイス、フランス、カナダ・ケベック州と場所は違っても全部同vレ的で行われ繋がっている。グルノーブル当局の働きに感謝する。タバクニクの出廷だけでも評価に値する。」とバリヨン弁護士は語った。

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