バイエラー・ギャラリー 6700万フラン分の絵画を売却
6月21日、22日の2日間にわたってロンドンで開催されたオークションで、印象派や現代アートの数々の大作が記録的な金額で取引された。
ハイライトは2010年に亡くなったバーゼルの美術商エルンスト・バイエラー創設のバイエラー・ギャラリー(Galerie Beyeler)が出品した作品だった。
最高値はピカソ
クリスティーズ(Christie’s)のオークションでは、バイエラー・ギャラリーの絵画109点が競売にかけられ、そのうち104点が新しい所有者の手に渡った。売上金は4958万ポンド(約64億円)に上った。この収益はバイエラー財団に収められる。
エルンストとヒルディのバイエラー夫妻は遺書で、2人の死後、バーゼル市内にあるバイエラー・ギャラリーを閉鎖し、コレクションを売却して収益金をリーヘン(Riehen)にあるバイエラー財団美術館に収めるよう指示していた。
先日のオークションではこれらのほか、夫妻の個人所蔵の作品も競売にかけられた。クリスティーズによると、最高値をつけたのは「座る女、青い服(Femme assise, robe bleue)」(1939年)などパブロ・ピカソの3点だったという。
「睡蓮」は基金に
また、パウル・クレーの「踊り子(Die Tänzerin)」は418万ポンド(約5億円)で落札された。クレーの作品では過去最高の落札額となった。一方、クロード・モネの「睡蓮(Nymphéas)」は査定金額が2300万フランから5700万フラン(約22億円から55億円)と21日の出品の中で最も高価な作品だったが、結局買い手は見つからなかった。
しかし、バイエラー財団美術館のサム・ケラー館長は「喜んで持ち帰る」とにこやかだ。「この作品はオークションの目玉だったが、これほど高価な絵画を購入できる人は世界にわずかしかいない。それは初めから承知していた」。展覧会への貸し出し要請が引きも切らないこの絵は、バイエラー財団美術館が引き取る。
オークションの収益はバイエラー財団にわたり、同美術館の将来を確保するため、また展覧会の開催や絵画の購入に向けて役立てられる。
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