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ローザンヌ国際バレエ、準決勝で6人の日本人が選出

「ディエゴのためのソロ」を、高くジャンプし楽しそうに踊る加藤さん 撮影 小川峻毅

第42回ローザンヌ国際バレエコンクールの準決勝で1月31日、70人の参加者の中から20人が選出された。日本人は、男子3人と女子3人の計6人。明日の決勝が期待される。


 6人は、マユミ・キノウチバレエスダジオの前田紗江(さえ)さん(15)、山本禮子バレエ団付属研究所の渡邊綾さん(16)プティ・バレエ・スタジオの森春陽(しゅんよう)さん(15)、パシフィック・ノースウエスト・バレエの熊谷早畝(さほ)さん(18)、白鳥バレエ学園の二山治雄(にやま はるお)さん(17)、モナコ王立グレースバレエ学校の加藤三希央(みきお)さん(18)。 

 なお、準決勝の選出は、4日前から行われたクラシックの練習点、コンテポラリー(以下、コンテ)の練習点、及び今日舞台で行われたクラシックのバリエーション、コンテのバリエーションのそれぞれを、同等の4分の1の割合で計算する方法で行われた。

コンテで同じ課題を選んだ男子

 クラシック、コンテとも成熟した踊りを見せてくれた加藤さん。モナコのバレエススクールで学んでおり、「学校の代表として参加しているというプレッシャーがあった。でも、ローザンヌではとにかく楽しく踊りたいと思っていて、今日は特にコンテが楽しく踊れたので満足しています」と話す。加藤さんは福島市出身。東日本大震災のあった2011年の9月にモナコに留学した。今年6月に卒業後、モナコ王立モンテカルロバレエ団で踊りたいと言う。

 コンテで加藤さんと同じ「ディエゴのためのソロ」を選び、一つ一つのポジションや動きを丁寧に踊った二山さん。このコンテをローザンヌで指導したバーセル劇場の中野綾子さんに、振り付けで分かり難い細部を昨日の練習後に熱心に質問していた姿が印象的だ。「20人の中に選ばれて本当に驚きました。中野さんのコーチはすごく勉強になり、今日はコンテの方はよく踊れたと思うけれど、クラシックがあまりうまくいかなかったので・・・」。そして、「明日の決勝があるので、まだあまりうまく感情が整理できません」と答えてくれた。

 なお、決勝に進出するもう一人の男子、森さんも同じコンテを踊った。もともとこのコンテは一人の青年が例えばギリシャの町に出かけ、いろいろな発見をして満足をするというもの。森さんは、こうした「物語」のさわやかな雰囲気を軽やかに表現した。

この国際バレエコンクールはローザンヌで1973年、ブランシュバイグ夫妻によって創設された。15~18歳の若いダンサーを対象にした世界最高の国際バレエコンクールで、若いダンサーの登竜門とも言われる。
目的は伸びる才能を見いだし、その成長を助けることにある。
今年は、2014年1月26日から2月1日まで開催。
昨年11月のビデオ審査で、世界35カ国から応募した295人(女子224人、男子71人)中、70人が選ばれた。
日本からは、最多の21人(女子16人、男子5人)がコンクールに出場した。
昨年と同様、二つの年齢グループ(15、16歳と17、18歳)に分かれて4日間の練習を行い、今日決勝進出者が20人選ばれた。
明日の決勝では、この20人の中から8人の入賞者が選ばれ、全員同額の奨学金を得て、希望するダンススクールかカンパニーで1年間研修できる。

各々表現力に富んだ女子のコンテ

 今年は、コンクールに出場した日本人がここ数年最多の21人だった。女子はそのうち16人だったが、どの女子もレベルが高く甲乙つけがたい状況だった。

 渡邊さんは、クラシックもきれいに決めたが、コンテでは振付家ヨルマ・エロのテンポの速い「ファースト・フラッシュ・ソロ1」を踊り、速い動作の中に微妙な動きを盛り込んで表現した。同じ振付家の「ファースト・フラッシュ・ソロ2」を踊った熊谷さんは、パンチの利いた踊りを披露。夢のように優雅なクラシックの表現とは対照的だった。

 前田さんは、振付家ゴヨ・モンテロのネオクラシック風の作品「サラバンド」をコンテに選んだ。モンテロさんはインタビューに答え「流れるしなやかな水のイメージで踊ってほしい」と話したが、前田さんの動きは本当に流れるように スムーズだった。

 ところで、今回惜しくも20人の中には選ばれなかったダンサーたちには、明日の午前中に、ローザンヌ国際バレエコンクールのパートナーであるバレエスクールやカンパニーの校長や芸術監督との面接が待っている。

 これは「10年以来続いているコンクールの重要な伝統行事」とコンクールの事務局が胸を張るように、この面接でカンパニーなどに招待された過去のコンクール参加者は、実際にそこで素晴らしいキャリアを積んできている。ローザンヌ国際バレエコンクールの良さは、こういった点にもある。

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