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スイスの総選挙、中道派の新小党が躍進

4年に1度の総選挙。国営テレビは昼から特集番組を組んで逐次途中経過を報告。今回は第1党の国民党の躍進にブレーキがかかり、新しい中道小政党が脚光を浴びた Keystone

10月23日の総選挙は、穏やかな秋日のうちに終わった。政党の中では自由緑の党(GLP/PVL)と市民民主党(BDP/PBD)の中道派の新小政党に明るい日差しが差し込んだ。

スイス第一党の国民党(SVP/UDC)は続伸の予想に反し、1991年以来初めて支持率を下げた。

 スイス放送協会(SRG SSR)の集計結果によると、緑の党(GPS/Les Verts)から離脱した自由緑の党は、前回比3.8%増と支持率を大きく伸ばし、国民議会(下院)で9議席増の12議席を獲得した。

 国民党から離脱した市民民主党にとっては今回が初めての総選挙。支持率5.2%で9議席を得た。同日、国営テレビの特集番組に出演した党首のハンス・グルンダー氏は「目標を大幅に上回った」と終始笑顔が絶えなかった。

古参中道派は負組

 外国人に対する厳しい政策で知られる右派の国民党は、これまでの躍進劇についに小休止が入り、支持率は3.6%減の25.9%にとどまった。支持率30%を目標に据えていただけに、今回の後退は大きなショックだ。国民議会にはこれまでより7人少ない55人を送り込む。

 経済界と強いつながりを持つ中道右派、第3政党の急進民主党(FDP/PLR)もマイナス3%と大きく支持率を下げ、4議席減の31議席となった。

 同じく中道右派で脱原発ロビー活動や家族政策に力を入れているキリスト教民主党(CVP/PDC)は第4政党。やはり1.5%支持者を減らし、3議席減の28議席に甘んじる。

 これら中道政党は、分離して新しく生まれた前述の小政党に票を取られた形だ。

安定の赤、脱力の緑

 他方、第2政党の左派社会民主党(SP/ PRD)はプラスマイナスゼロに近い。支持率は1.9%減ったものの、国民議会の議席は1議席増え、44議席となった。

 大きく落ち込んだのは緑の党だ。前回は5議席を増やして第5政党に飛躍したが、今回の総選挙では支持率が1.6%減少。7議席減の13議席となり、同党から離脱した自由緑の党と両極をなす形となった。環境保護を訴えるだけではなく、経済の発展とからめた自由緑の党のリベラルな政策は、実際的なスイス人に幅広く受け入れられたようだ。

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 これまで全州議会で最多数を占めていたのはキリスト教民主党だ。国民党はこの体制を打開しようと、全州議会にも多くの候補者を立てた。党首のトーニ・ブルンナー氏や元連邦大臣のクリストフ・ブロッハー氏も立候補したが、両者とも今回の投票で絶対多数を得られず、当選は決まっていない。

 現在、当選が確実なのは社会民主党、キリスト教民主党、急進民主党の各党7人ずつと国民党の4人。当選が決まらなかった州では11月27日に2回目の選挙が実施される。

 投票率は49.6%で、前回2007年の48.3%をわずかに上回る結果となった。

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 国民議会議員の立候補者数は過去最多の3458人を記録。女性が占める割合はおよそ3分の1で、前回に比べて減少した。

伝統的な4大政党、急進民主党(FDP/PLR)、キリスト教民主党(CVP/PDC)、社会民主党(SP/PS)、国民党(SVP/UDC)の候補者は計1664人。

30歳以下の立候補者は全体の約3分の1で年齢層別で見ると最多。60歳以上は10人に1人。平均年齢は40.5歳。

(一部情報提供 クリスティアン・ラーフラウプ)

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