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もぐもぐスイス味 第3弾 その2 ― モモヨ隊員と芸術を堪能する ―

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ベルン市内でも緑に囲まれた場所にパウル・クレー・センター が建てられたのは、3年前。当時はレンゾ・ピアノの設計の美術館として話題をさらった。クレーの人気は国内外で高く、今も平日でも多くの人たちが訪れる市内の人気スポットの1つだ。

市内からのバスを降り、波を象徴する屋根が一際目に付くクレー美術館へ行く小道の左手にある館がレストラン「シューングリューン ( Schöngrün ) 」だ。

 私たちの前を行くパウル・クレー・センター ( Zentrum Paul Klee ) を背景に写真を撮る観光客には、見えなかったのかもしれない。外見はごく一般的な屋敷がレストランだ。しかし、前庭に立つ透明な看板にはその名前が意味する「美しき緑」の文字で「レストラン」と表示され、クレーにふさわしくエレガント。美術館開館当時は、スイスインフォでも特集を組んでこのベルン出身の芸術家を紹介したが、クレーを意識した料理を出すレストランも、訪れる人に多くを語ってくれる場所である。 

すべてがパウル・クレー

 レストラン内は非常に明るい。テラスもあるが、外に出る必要もないほどまぶしいので、モモヨ隊員は「帽子を被っていたい」と言ったほど。テーブルクロスの上に置かれた1輪の赤いガーベラが私たちに笑いかけてくれる、白と赤を基調にしたの内装は温かみもありモダン。すでにセッティングされていた小さなパンが5個。真ん中のが長細く、人の顔のイメージか?塩、コショウの小皿もアートな懲りようである。
 ランチは2コース。3皿のコースを取ったが、突き出しやミニデザートなども出てくるのでバリエーションが豊か。
 
 ソラマメのピュレに赤カブがアレンジされ、真ん中に帆立貝のソテーが置かれた前菜の彩の良さ。長方形の白い皿に載るモモヨ隊員のホロホロチョウと隊長の生のルッコラで飾られたキンキン魚の焼き物は、控えめながら味なプレゼンテーション。ミニデザートのチョコや本番デザートもユーモラス。すべての皿がクレーの絵から飛び出てきたようだ。

 席から遠くカウンターが見え、厨房が覗けるようになっている。忙しそうでありながら、皆、楽しそうに料理している。肩に赤いワッペンを縫い付けているのがシェフらしい。特に動きが活発だ。「美味しい!」の連発だったモモヨ隊員は、レストランを後にする前「シェフに宜しく」と褒める。「是非、挨拶していってください」といわれ、笑顔が絶えない料理人に2人で握手して帰ってきた。

…でモモヨ隊員は

 うう隊長、この突き出し美味しいですね。語ってみたくお味です。

 ええっと、「ベアラウフ(行者ニンニク)の力強さとカニの旨みが織り成す深い味わいは、微かなレモングラスの香りでふちどられ、洗練された出会いのハーモニーを奏でており、これから出てくる料理を期待させるプレリュードとして、まさにアミューズブーシュにふさわしい佳品として仕上がっている」

 それにしても、ちょびっとしかありませんねえ。このせめて3倍くらい食べたい。でも、かの魯山人も言っとります、沢山出したらいかんのだそうです。残念ですが。
次はソラマメ、その次はアスパラ、スイスでこんなにも季節感を味わえるんですね。
この、ホロホロチョウのまたジューシーなこと。ジャガイモの食感も新鮮です。あ、でも、きれいなんでなんだか自然とお口ちいさめにもぐもぐになりますね。

 シェフってのはクリエーターなんですね。いや実感しました。あ、あの美味しそうでエネルギッシュな方ですね。

 こんなにちゃんとしたヌーベル・キュイジーヌなのに、とにかく美術館を覗いた帰りに気軽に来られて、美しくも美味しいものがいただける。終わってみれば、量もぴったりで満足度高し、ですよね隊長。

swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) & モモヨ

Restaurant Schöngrün
住所 :  Monument im Fruchtland 1, 3006 Bern
電話 :  + 41 31 359 02 90
予約 :  予約はしたほうがよい。
時間 : 11時30分から23時30分 月、火曜日は休業
メニュー : ランチコース3皿59フラン ( 約5900円 ) 、5皿74フラン ( 約7400円 ) 、ディナーコース112フラン ( 約1万1120円 ) 単品オーダーも可能。
予算 :  2人で、ランチコースにワイン、ミネラルウォーター、コーヒーを頼んで166フラン ( 約1万6600円 )
行き方 : ベルン駅から12番のバスで、終点パウル・クレー・センター ( Zentrum Paul Klee ) 下車

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