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「違った自分らしさ」を演出する髙橋大輔

インタビューに応じる髙橋大輔 swissinfo.ch

現在スイスで開催中のアイスショー「アート・オン・アイス(Art on Ice)」にプロフィギュアスケーターの髙橋大輔が出演している。世界のトップスケーターたちが彼らのさらに新しい側面を創り出すアートショーで、髙橋はどのようにショーを作り上げようとしているのか、スイスインフォがリハーサルの合間にインタビューをした。

 今回は「ニューヨークのあらゆる人々ーーそれぞれの人に物語がある」というコンセプトを基に、ジェイムス・モリソンの「The Person I Should Have Been」のライブ演奏に合わせて、大都会の片隅にいる「ホームレスのような役」を演じる髙橋大輔。「やさぐれた感じ」を演出したいと語る髙橋は、「スケートというもので表情だったりとか、それでその歌とあわせてっていう、その一つの世界観を作り上げる」と言う。

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 舞台では、暗闇のリンク上にひっそりと置かれたダンボール箱から這い上がるようにして登場し、長めのコートを脱ぎ捨てる場面があるが、こうした演劇性を取り入れた場面について髙橋は、「小物を使ったりしたことがなかったので、いい経験になる」と話す。このような舞台を作り上げるということは髙橋にとって「演出の人が求めるものを自分で全力でやっていくということ」。また、「僕自身がまた新しいショーをしたいなと思ったときにはすごく勉強になるショーだと思っている」。「ここで見るもの全てを盗んでいけたらな」とも語る。

 髙橋のアート・オン・アイス外部リンクへの参加は今回で2回目。「前回アート・オン・アイスに参加したときと、今このアート・オン・アイスに参加するときの周りの状況だったり自分の心境ってのも変わっている。そういった部分でまた新しい経験です」。

 昨年のアイスレジェンドを含め、今年で3年連続スイスのアイスショーに参加することになる髙橋。国外でのアイスショーへの参加はあまりないが、そのなかでもスイスでの参加が一番多いという。アート・オン・アイスの観客は単にスケートの好きな観客とは異なり、「他とはまた違う反応っていうのがある」と明かす。しかし、「スイスの方は僕のことをはまだ知らないと思うので、自分でもアピールできたらなと」。そして、「日本からのファンにはまた違った自分らしさを見せられたらなと思っている」と新しい挑戦を続ける髙橋は結んだ。

髙橋大輔

1986年3月16日生まれ。2014年に競技会から引退を表明した後、現在は国内外のアイスショーを中心に活動。2015年にはスイスのアイスショー「アート・オン・アイス」、16年には同じくスイスの「アイスレジェンド」に参加した。

アート・オン・アイス

トップクラスのアイスフィギュアスケーターが、世界的に有名なアーティストのライブ演奏に合わせて氷上を舞うスイスのアイスショー。2013年には日本公演も行われた。

今年のアーティストはチャカ・カーンとジェイムス・モリソン。髙橋大輔の他、ステファン・ランビエール(05年・06年世界選手権優勝)、サラ・マイヤー(11年欧州選手権優勝)など世界的な選手権で優勝したスケーターたちが参加する。15年に引退を表明したマイヤーは、長年の希望だったモリソンとの共演を果たすため、今年、再びアート・オン・アイスのリンクに上がる。

2月2~5日にチューリヒ、7~8日にローザンヌ、10~11日にダボスで開催されている。

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