スイスの視点を10言語で

ロカルノ映画祭の新ディレクターにジオナ・ナザロ氏

Giona Nazzaro
ジオナ・ナザロ氏(右)とべネチア国際映画祭のロベルト・チクト代表。9月撮影 Vittorio Zunino Celotto/Getty Images

ロカルノ国際映画祭は5日、新芸術監督にイタリア人の著名映画プログラマー・批評家のジオナ・ナザロ氏が就任すると発表した。同氏は2016年からベネチア国際映画祭の国際映画批評家週間総代表を務める。

ナザロ氏はチューリヒ生まれで、ジャーナリストとして経験を積んだ。同氏は「ロカルノ映画祭を指揮できることを光栄に思う」と述べ、同映画祭を「品質と作家主義に基づく映画製作を常に優先してきた。今やこれまで以上に重要なアイデアが生まれ、動画の未来を創造的に見据える拠点になっている」と評した。

同氏は「映画祭の心臓部であり、映画のしなやかな強さを象徴する中央広場ピアッツア・グランデでの再開を目指し、真っ向から仕事に取り掛かるつもりだ」と述べた。

正式就任は来年1月1日だが、暫定芸術監督のナディア・ドレスティ氏とすぐに仕事を始めるという。

ナザロ氏は2010~2020年、スイス・ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭Visions du Réel Festivalの選考委員会で、出品作を選定するプログラマー兼キュレーターを務めた。独語と英語の言語学と文学の学位を持ち、過去のロカルノ国際映画祭では司会を務めた。

ナザロ氏はこのほか、トリノ映画祭、ローマ国際映画祭、フィレンツェのポポリ映画祭などにも関わってきた。ガス・ヴァン・サント、スパイク・リー、アベル・フェラーラといった映画監督に関するモノグラフ的研究の論文執筆やキュレーションもしている。

ナザロ氏は映画・芸術分野の新技術に関心が高く、ミラノ新美術アカデミー(NABA)でメディアデザインとマルチメディア芸術の教授を務める。スイス連邦内務省文化局映画部の役員でもある。

第74回ロカルノ国際映画祭は来年8月4~14日に開催される。運営側は、新型コロナウイルスに伴う安全衛生措置と国の規制に応じて、イベントの詳細な形式を決める。

前芸術監督のリリ・アンスタン氏は9月末、戦略の違いを理由に就任後2年で辞任した。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

スイス事故防止協議会(BFU)によると、シートベルトの着用により、過去10年間の国内交通事故で負傷事故5700件、約650件の死亡事故を未然に防いだ

おすすめの記事

命を救う後部座席のシートベルト スイスで義務化30年

このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは、30年前から車の後部座席のシートベルト着用が義務付けられている。スイス事故防止協議会(BFU)と連邦統計局の最新データによって、この安全対策の有効性が裏付けられた。

もっと読む 命を救う後部座席のシートベルト スイスで義務化30年
握手を交わすスイスのアムヘルト大統領と岸田首相

おすすめの記事

アムヘルト大統領、岸田首相と会談 FTA改定を改めて要望

このコンテンツが公開されたのは、 訪日中のヴィオラ・アムヘルト大統領兼国防相は7日、官邸で岸田文雄首相と会談し、日本・スイス間の自由貿易協定(FTA)改定というスイスの要望を改めて表明した。

もっと読む アムヘルト大統領、岸田首相と会談 FTA改定を改めて要望
UNRWAの前でたむろす子どもたち

おすすめの記事

UNRWA、「イスラエル襲撃に関与した可能性」 の9人を解雇

このコンテンツが公開されたのは、 国連は5日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員9人が昨年10月7日のイスラム過激派ハマスによるイスラエル襲撃に「関与していた可能性がある」との内部調査を発表した。

もっと読む UNRWA、「イスラエル襲撃に関与した可能性」 の9人を解雇
診察を受ける赤ちゃん

おすすめの記事

スイスで小児科医が不足

このコンテンツが公開されたのは、 スイス小児科医協会は医師が足りず、特に地方部で子どもが十分な治療を受けられなくなる可能性があると警告する。背景には柔軟な働き方を求める世代の増加や役所・企業の「官僚主義化」があると批判する。

もっと読む スイスで小児科医が不足
注射を打たれる男性

おすすめの記事

コロナ再流行のスイス、ワクチン不足に

このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは現在、新型コロナウイルス感染症が再び流行している。それ自体はさほど深刻ではないものの、ワクチンを受けたくても薬局や診療所に在庫がない事態が発生。背景には7月初めの制度変更がある。

もっと読む コロナ再流行のスイス、ワクチン不足に
座り込む女性の横顔

おすすめの記事

スイスで人身取引被害が増加

このコンテンツが公開されたのは、 「人身取引と闘うプラットフォーム(Plateforme Traite)」は2023年、スイスで197件の人身取引(人身売買)事案を記録した。前年比で11%増加した。

もっと読む スイスで人身取引被害が増加
耳を抑える子どもと打ち上げ花火

おすすめの記事

「建国記念日に花火欠かせない」半数 スイス世論調査

このコンテンツが公開されたのは、 スイス人の半数が、打ち上げ花火は8月1日の建国記念日に欠かせないと考えていることが最新の調査で分かった。しかし、回答者の大多数は個人での花火打ち上げに反対している。

もっと読む 「建国記念日に花火欠かせない」半数 スイス世論調査
給油中の車

おすすめの記事

スイス、EV・ハイブリッド車が好調

このコンテンツが公開されたのは、 スイス自動車輸入組合オート・スイスの最新データによると、今年上半期のスイスの新車登録台数の58%はハイブリッド車と電気自動車(EV)だった。

もっと読む スイス、EV・ハイブリッド車が好調

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部