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ローザンヌで羽を広げるバレエダンサー

ローザンヌ国際バレエコンクール準決勝 最年少の松岡さんが決勝へ

松岡海人さん
舞台でリハーサルを行う松岡海人さん。5日撮影。モントルーにて ©Gregory Batardon

7日、スイス西部モントルーで開催中のローザンヌ国際バレエコンクールで、準決勝が行われ、決勝に進出する21人が発表された。日本人ダンサーでは松岡海人さん(15)が選ばれた。

日本人としては唯一、決勝に出場が決まった松岡さんは愛媛県松山市出身の中学3年生で、今回のコンクールに最年少で挑んでいる。準決勝の発表直後には「自分の踊りに納得がいかず落ち込んでいたので、名前を呼ばれた瞬間は信じられない気持ち」とほっとしたような笑顔を見せた。松岡さんは母親が開く愛媛バレエアカデミーで、3歳の時からバレエを始めた。

同郷出身で先輩の中尾太亮さんは、現在、英国のロイヤル・バレエ団に所属する。中尾さんは2017年にローザンヌ国際バレエコンクールで3位を受賞したのがきっかけで、憧れの夢をつかんだ。「先輩の影響を受け、僕もローザンヌバレエに出場して賞を取りたいという気持ちがあった」

先生と一緒に選んだというクラシック・バリエーションは「アレルキナーダ」。自分が苦手とする道化のキャラにあえて挑むことで「初めてのローザンヌで、どこまで自分が通用するかチャレンジしたかった」と言う。コンテンポラリー・バリエーションではがらりと趣向を変えて暗めの「フリア・コルポリス」を披露した。

松岡さんは「今日の出来は10点中7点くらい。緊張で表情が硬くなってしまったし、テクニックも10点には程遠い。明日までには全部改善しないといけない」と振り返る。日本人唯一の決勝進出者という「責任の重さは感じているが、明日には切り替えて、自分の踊りを意識して自己ベストを目指したい」

第48回ローザンヌ国際バレエコンクールには、27カ国から77人が参加し、そのうち日本人ダンサーは12人。だが6日、モナコ王立プリンセス・グレース・アカデミーへ留学中の山田ことみさんがコンテンポラリーのレッスン中に全治4~6週間のケガを左足に負い、準決勝への出場を棄権した。

決勝は8日午後2時半(日本時間午後10時半)から行われる。

〈女子〉

ARBUCKLE Ava 米国 15歳

WANG Zeyu 中国 15歳

KIM Soo Min 韓国 15歳

KANG Chaeyeon 韓国 15歳

LUCKUTE Milda リトアニア 15歳

BEATY Sophie オーストラリア 16歳

ZHOU Yue 中国 17歳

ZHANG Lin 中国 17歳

WANG Yuyan 中国 17歳

PIRES Catarina ポルトガル 17歳

ROBINSON Evelyn 米国 18歳

HUANG Xuetong 中国 18歳

〈男子〉

松岡海人 日本 15歳

VAZ Vitor Augusto ブラジル 15歳

BARKER Max 米国 15歳

SMITH-LEISHMAN Jackson オーストラリア 15歳

YAN Chun Hung 中国・香港 15歳

MCDONALD Austen オーストラリア 16歳

MASCIARI Marco イタリア 17歳

SANTANA João Vitor ブラジル 17歳

HOLELEU Matei ルーマニア 18歳

※年齢順


正式名称はPrix de Lausanne(プリ・ド・ローザンヌ)で、才能豊かな若いバレエダンサーがプロの道に踏み出すことへのサポートを目的とし、スイス西部のヴォー州ローザンヌで1973年から開催されている。15~18歳の若いダンサーを対象にした世界最高の国際コンクールの一つで、若いダンサーの登竜門とも言われる。現在カンパニーとプロとして契約中、または過去にプロ契約を結んだことのあるダンサーは参加できない。

第48回ローザンヌ国際バレエコンクールは、会場のボーリュ劇場が全面改装工事中のため、モントルーで2月2日~9日に開催される。

決勝は8日に行われ、入賞者は、奨学金を受け取り希望するバレエ学校かバレエ団で1年間研修できる。


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