戦闘機の新規調達計画を進めていたスイスは、欧州ではなく米国の戦闘機を購入する方針だ
Keystone / Giuseppe Lami
戦闘機の調達計画を進めていたスイス連邦内閣は30日、米ロッキード・マーティンのF-35A戦闘機36機、米レイセオンの地対空ミサイル・パトリオット5基を購入すると発表した。
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連邦内閣は、F-35Aを選んだ理由について、コストパフォーマンスと技術仕様が競合相手と比べ最も優れていると説明。同計画を連邦議会に上程する。
戦闘機の購入費用は50億フラン(約6千億円)。スイスの有権者は昨年9月の国民投票で、計60億フランの戦闘機購入計画を僅差で可決した。
競合していたボーイングのF/A-18スーパーホーネット、仏ダッソーのラファール、欧州のエアバスのユーロファイター・タイフーンと比べても、購入コストが約20億フラン低い。スイス連邦政府の選定期間中は、欧州・米企業の積極的なロビー活動が繰り広げられた。
スイス軍が保有するF-5タイガー、F/A-18ホーネットの老朽化を受け、スイス政府は以前から機体の刷新を検討していたが、計画は難航。スウェーデン・サーブのグリペンを購入する計画を打ち出したものの、2014年の国民投票で否決された。
軍隊のないスイスを目指す会(GSoA)は30日、F-35A購入に反対するイニシアチブ(国民発議)を緑の党や社会民主党と提起し、国民投票を目指すと発表した。
中道左派の自由緑の党は、今回の選定が環境へ与える影響を検討するとコメントした。
パトリオットの購入費は19億7千万フランで、政府は他の入札相手よりも安価だと説明。F-35Aの30年間の運用コストは155億フラン、パトリオットミサイルは36億フランをそれぞれ見込むという。
連邦内閣は30日付の声明で「この2つのシステムが、将来的にスイス国民を空の脅威から守るのに最も適していると確信している」と述べた。
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