スイスの視点を10言語で

韓国政府、スイスの国民食「レシュティ」で金正恩氏をもてなし

レシュティ
レシュティは、もともと農民が朝食として食べていたものがドイツ語圏を中心にスイス全土へ広まったとされている Keystone

27日に板門店(パンムンジョム)で開かれる南北首脳会談後の夕食会で、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長が留学していたとされるスイスの国民的料理「レシュティ」が振る舞われる。韓国大統領府(青瓦台)が24日発表した。

 「レシュティ」はスイスドイツ語圏の定番料理で、荒くおろしたじゃがいもを、フライパンでパンケーキのように焼いたもの。目玉焼きやチーズ、ベーコン、たまねぎを混ぜるなど、バリエーションは多い。ロイター通信によると、韓国大統領府は金氏に幼少期に過ごした国を懐かしんでもらおうとスイスの有名な料理を韓国風にアレンジし、メニューに加えた。

 金氏は1996年、12歳でスイスに留学し、首都ベルンのインターナショナルスクールに通っていたとされている。また学校ではドイツ語、フランス語、英語を学び、スキーの腕を磨いたり、紛争解決の能力を鍛えたりしたと言われている。北朝鮮は、金氏がスイスに留学していたことを公式に認めてはいない。金氏の叔母は2016年5月、米ワシントン・ポスト紙のインタビューで、金氏がベルンに暮らしていたことを認めている。

 メニューには平壌冷麺も含まれる。平壌の有名レストラン「玉流館(オンリュグアン)」から派遣されたシェフが製麺機を持ち込み、夕食会にできたてを用意する。また、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が幼少時代から過ごした釜山の伝統料理「マトウダイの焼き魚」も並ぶ。

 加えて、ツツジの葉やもち米などを使って作られた香りのある酒「ミョン川杜鵑酒」と、北朝鮮から伝わり韓国で生産されている伝統酒「ムンベ酒」が用意される。ドイツ語圏日刊紙NZZによれば、デザートにグリュイエールチーズを使ったケーキやマカロン、チョコレートムースも出される。

おすすめの記事

おすすめの記事

金正恩氏のスイス留学時の住宅、発見

このコンテンツが公開されたのは、 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長がスイスに留学していた当時に暮らしていた住宅が先日、発見された。住宅は首都ベルンにあり、北朝鮮の外交団が使用していた。近隣住民によれば、4人の少年が「いつもバスケットボールをしていた」という。

もっと読む 金正恩氏のスイス留学時の住宅、発見
​​​​​​

最も読まれた記事
在外スイス人

世界の読者と意見交換

ニュース

注射を打たれる男性

おすすめの記事

コロナ再流行のスイス、ワクチン不足に

このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは現在、新型コロナウイルス感染症が再び流行している。それ自体はさほど深刻ではないものの、ワクチンを受けたくても薬局や診療所に在庫がない事態が発生。背景には7月初めの制度変更がある。

もっと読む コロナ再流行のスイス、ワクチン不足に
座り込む女性の横顔

おすすめの記事

スイスで人身取引被害が増加

このコンテンツが公開されたのは、 「人身取引と闘うプラットフォーム(Plateforme Traite)」は2023年、スイスで197件の人身取引(人身売買)事案を記録した。前年比で11%増加した。

もっと読む スイスで人身取引被害が増加
耳を抑える子どもと打ち上げ花火

おすすめの記事

「建国記念日に花火欠かせない」半数 スイス世論調査

このコンテンツが公開されたのは、 スイス人の半数が、打ち上げ花火は8月1日の建国記念日に欠かせないと考えていることが最新の調査で分かった。しかし、回答者の大多数は個人での花火打ち上げに反対している。

もっと読む 「建国記念日に花火欠かせない」半数 スイス世論調査
給油中の車

おすすめの記事

スイス、EV・ハイブリッド車が好調

このコンテンツが公開されたのは、 スイス自動車輸入組合オート・スイスの最新データによると、今年上半期のスイスの新車登録台数の58%はハイブリッド車と電気自動車(EV)だった。

もっと読む スイス、EV・ハイブリッド車が好調
ベルンのハイキングコース

おすすめの記事

大雨被害で多くの登山・ハイキングコースが閉鎖 スイス

このコンテンツが公開されたのは、 大雨による洪水や地滑りが発生したスイスでは、依然として約620カ所の登山・ハイキングコースが閉鎖されている。特に南部のヴァレー(ヴァリス)州で大きな被害が出ているという。

もっと読む 大雨被害で多くの登山・ハイキングコースが閉鎖 スイス
スウォッチのロゴ

おすすめの記事

スウォッチ1~6月期売上高14.3%減 中国の需要低迷が重荷に

このコンテンツが公開されたのは、 スウォッチが15日発表した1~6月の純売上高は34億5000万フラン(約6070億円)と、前年同期比で14.3%減った。中国の高級品需要の落ち込みが、スイス時計業界全体の重荷になっている。

もっと読む スウォッチ1~6月期売上高14.3%減 中国の需要低迷が重荷に
マイクに向かって演説をする女性

おすすめの記事

トランプ氏銃撃、スイス大統領「容認できない」

このコンテンツが公開されたのは、 ドナルド・トランプ前大統領が13日に銃撃された事件を受け、スイスのヴィオラ・アムヘルト大統領は「政治的な暴力は容認できない」と訴え、一日も早い回復を祈った。

もっと読む トランプ氏銃撃、スイス大統領「容認できない」

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部