シリアル、ソース、ビスケットを中心に調査が行われた
Keystone
このコンテンツが公開されたのは、
フランス語圏のスイスで実施された試験的な調査で、食品の4分の1以上にナノ粒子が含まれていることが明らかになった。このような粒子は添加物や着色料という形で食品に含まれ、健康に与える潜在的なリスクはまだ明らかになっていない。
23日に発表された調査によると、今回対象となった食品の27%(56サンプル中15サンプル)にナノ粒子が含まれていることが分かった。調査はフランス語圏の州の化学者らがフリブール大学のアドルフ・メルクレ研究所(Adolphe Merkle Institute)とスイス連邦食品安全獣医局(FSVO)と共同で行った。
ナノ粒子は、100ナノメートルよりも小さい。1ナノメートルは、針先の直径の約100万分の1だ。
調査では、酸化チタン(TiO 2)、酸化ケイ素(SiO 2)及びタルクのナノ粒子の含有を調べた。これらの物質は、スイスではE551およびE171という名称で食品添加物や着色料として使用されている。添加物としてパッケージに明記されているが、ナノ粒子という形で食品に含まれていることは一般的に特定されていない。
調査は主にソース、ビスケット、朝食用のシリアルを対象に実施。他にも調査の対象となった5種類のチューインガムには、全てチタンか酸化タルクのいずれかが含まれていた。
2017年5月1日から実施されているスイスの新しい食品法では、ナノ物質を含有している旨を食品のパッケージ等に明記するようメーカーは義務づけられている。法律を完全に遵守するまでの移行期間として企業には4年間の猶予が与えられている。
この研究に協力した州の化学者は、ナノ粒子の影響は依然として十分には理解されておらず、摂取に伴う健康上のリスクは評価が難しいと注意を促した。
「今後も詳しく調査を進める必要がある。ナノ粒子は自然界にも存在するが、だからと言って人工のナノ粒子が無害とは言い切れない」とジュネーブの化学者、パトリック・エダー氏はスイス通信に語った。
また、スイス連邦食品安全獣医局は、ナノ粒子が「心臓血管系または他の臓器に影響を及ぼす可能性がある。毒性があるかどうかは、その物質と添加量によって異なる」としている。シリコンや酸化チタンは健康に無害とされるが、新しいナノ物質には認可が必要だという。
おすすめの記事
トランプ氏銃撃、スイス大統領「容認できない」
このコンテンツが公開されたのは、
ドナルド・トランプ前大統領が13日に銃撃された事件を受け、スイスのヴィオラ・アムヘルト大統領は「政治的な暴力は容認できない」と訴え、一日も早い回復を祈った。
もっと読む トランプ氏銃撃、スイス大統領「容認できない」
おすすめの記事
ツェルマット行き鉄道、少なくとも8月中旬まで一部区間で運休 大洪水で
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部を中心に発生した大規模な洪水の影響を受け、ツェルマット~ディセンティス間を結ぶマッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGB)は、少なくとも8月中旬まで一部区間で運休するとの見通しを明らかにした。
もっと読む ツェルマット行き鉄道、少なくとも8月中旬まで一部区間で運休 大洪水で
おすすめの記事
スイスが対ロシア制裁リストを拡大
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは対ロシア制裁リストを拡大した。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続いていることを受け、欧州連合(EU)が決定した変更を採用した。
もっと読む スイスが対ロシア制裁リストを拡大
おすすめの記事
AIによる失業懸念、スイスは最低
このコンテンツが公開されたのは、
人工知能(AI)は日々の仕事に影響を与えている。スイスでは、多くの人たちが仕事を含めAIを使っているが、この新しいテクノロジーのせいで仕事を失うと心配している人は比較的少ないことが最新の調査で分かった。
もっと読む AIによる失業懸念、スイスは最低
おすすめの記事
核兵器禁止条約への加盟求めスイスで署名集め開始
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの市民団体「核兵器禁止を求める同盟」は、国連核兵器禁止条約への加盟を求めるイニシアチブ(国民発議)を立ち上げた。必要な署名が集まれば国民投票が実施される。
もっと読む 核兵器禁止条約への加盟求めスイスで署名集め開始
おすすめの記事
スイス民族衣装祭りに観光客10万人
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・チューリヒで6月28~29日、連邦民族衣装祭りが14年ぶりに開催され、延べ約10万人の観客が訪れた。
もっと読む スイス民族衣装祭りに観光客10万人
おすすめの記事
クレディ・スイスのスイス法人が消失
このコンテンツが公開されたのは、
スイス二大銀行だったUBSとクレディ・スイスの現地法人の合併が1日、完了した。今後スイス国内でも「クレディ・スイス」の看板撤去が進むことになる。
もっと読む クレディ・スイスのスイス法人が消失
おすすめの記事
スイス人の平均寿命、過去最高に 男性は82.2歳
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの平均寿命は2023年時点で女性85.5歳、男性82.2歳と、過去最高記録を更新した。
もっと読む スイス人の平均寿命、過去最高に 男性は82.2歳
おすすめの記事
連邦内閣、マルティン・シュレーゲル氏をスイス中銀新総裁に任命
このコンテンツが公開されたのは、
連邦内閣はスイス国立銀行(SNB、中銀)の新総裁に予想通りマルティン・シュレーゲル副総裁を任命した。ペトラ・チュディン氏が新たな理事会メンバーとなる。
もっと読む 連邦内閣、マルティン・シュレーゲル氏をスイス中銀新総裁に任命
おすすめの記事
職場のワンコ、従業員の満足度を向上 スイス調査
このコンテンツが公開されたのは、
犬は職場の雰囲気を良くし、飼い主だけでなく他の従業員にとっても良い影響を与える――スイスの労働者を対象に実施された調査は、職場に犬がいることの効用を強調する。
もっと読む 職場のワンコ、従業員の満足度を向上 スイス調査
続きを読む
おすすめの記事
毎年50トンものゴミ スイスのレマン湖
このコンテンツが公開されたのは、
スイスとフランスの国境にあるレマン湖には、毎年約50トンのプラスチックごみが流れ込むことが新しい研究で明らかになった。
もっと読む 毎年50トンものゴミ スイスのレマン湖
おすすめの記事
スイスの昆虫食、普及には安売りより値上げが得策?
このコンテンツが公開されたのは、
2017年5月から、スイスでは昆虫を食料に使うことができるようになった。スイスでは法律に明記されていない食品の使用は禁止されているが、ミールワーム(ゴミムシダマシの幼虫)、コオロギ、イナゴの3種が使用可能な食品として認め…
もっと読む スイスの昆虫食、普及には安売りより値上げが得策?
おすすめの記事
ヨーグルトとシリアル砂糖含有量 最大5%削減へ
このコンテンツが公開されたのは、
連邦内務省食品安全・獣医局(BLV)は5日、国とスイスの主な食品製造業者・小売業者がヨーグルトと朝食用シリアルに含まれる砂糖の量を2018年末までに最大5%削減する自主協定に合意したと発表した。
もっと読む ヨーグルトとシリアル砂糖含有量 最大5%削減へ
おすすめの記事
農薬を使わない農業を 食料安全イニシアチブが国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
農薬や抗生物質を使う農家への補助金カットなどを求めるイニシアチブ(国民発議)「クリーンな水を全ての人へ」について、発起人らが国民投票に必要な11万4420人の署名を集め、連邦内閣事務局へ提出した。今後国民投票が実施される見通し。
もっと読む 農薬を使わない農業を 食料安全イニシアチブが国民投票へ
おすすめの記事
スイス起因の環境負荷、地球持続レベルの3倍
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの生産・消費活動が環境にどれだけの負荷を与えているかを示す「環境フットプリント」は、過去20年で大きく改善したものの、地球が永続できるレベルの3倍以上も高いことが分かった。
もっと読む スイス起因の環境負荷、地球持続レベルの3倍
おすすめの記事
輸入卵に殺虫剤成分 スイスの大手スーパーが販売停止
このコンテンツが公開されたのは、
スイス大手スーパーのミグロ、コープ、アルディ・スイスは4日、欧州の養鶏場から出荷された卵から殺虫剤成分が検出されたことを受け、予防措置として輸入された卵の販売を停止した。スイス当局は、国内で生産された卵は汚染されていないとしている。
連邦内務省食品安全・獣医局(OSAV)は同日、オランダから輸入された卵から殺虫剤成分「フィプロニル」が検出されたと発表。スイス国内の大手スーパーはほぼ同時に輸入された卵の販売停止を決めた。
当局は声明で「スイスの輸入業者による検査で(殺虫剤成分が)検出された。現時点で、健康被害を及ぼすような汚染レベルではない」とした。
もっと読む 輸入卵に殺虫剤成分 スイスの大手スーパーが販売停止
おすすめの記事
ネスレ、プラスチックごみの製造元トップ3に
このコンテンツが公開されたのは、
国際環境NGOグリーンピースによると、スイスの食品大手ネスレはコカ・コーラやペプシコに並び、世界で見つかるプラスチックごみの3大製造元だ。
もっと読む ネスレ、プラスチックごみの製造元トップ3に
おすすめの記事
「公正な食品を求めるイニシアチブ」 食料安全保障の強化か、理想論か
このコンテンツが公開されたのは、
あなたは口にする食べ物がどのように生産されたものか把握しているだろうか?9月23日の国民投票にかけられる「公正な食品を求めるイニシアチブ(国民発議)」は、スイスの食事をより倫理的なものにすることを目指す。イニシアチブの発起人らは、食品の持続可能な生産を推進する取り組みだと主張するが、反対派は、消費者の経済的負担を増やしかねない理想論だと批判する。
もっと読む 「公正な食品を求めるイニシアチブ」 食料安全保障の強化か、理想論か
おすすめの記事
スイス小売最大手ミグロ、放し飼い卵に販売を限定
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの小売最大手・ミグロは、2020年末までに放し飼い以外でとれた鶏卵の販売を止める。動物愛護と、消費者のニーズに応える。
もっと読む スイス小売最大手ミグロ、放し飼い卵に販売を限定
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。