汚職問題に揺れた国際サッカー連盟(FIFA)が組織改革と財政健全化に取り組む一方で、昨年、幹部に1千万ドル(約11億円)近い報酬を支払っていたと一部メディアが報じた。
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米ニューヨーク・タイムズ紙は匿名の関係者から得た情報として、FIFAの理事会メンバーに選出された37人が昨年、それぞれ25万ドルの報酬と数万ドルの旅費を受け取ったと報じた。
スイス・ドイツ語圏の日刊新ターゲス・アンツァイガーは9日、この記事を引用、FIFA側はコメントを出さなかったと報じた。ただ報酬額についてはFIFAが3月に公表を予定している財務報告で明らかになる見通し。
FIFAが昨年開いた理事会はわずか3回で、ニューヨーク・タイムズは報酬額について「世界最大規模の営利企業が同様の職務に支払う金額と比べてもはるかに多い」と批判。汚職問題発覚後に就任したジャンニ・インファンティーノ会長は、財政規律を確立して組織の信頼改善を図ると繰り返し訴えているが、それに矛盾する現状が露呈した形だ。
コーポレート・ガバナンスに関する国際認証機関トレース・インターナショナルのアレクサンドラ・レイジ社長は同紙に「非営利(組織)であることを鑑みれば、この金額に対して何らかの正当性が求められる」と述べた。
インファンティーノ氏は2016年、汚職問題を受けて辞任したゼップ・ブラッター会長の後任として選出された。このスキャンダルで、ブラッター氏、欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・ プラティニ前会長、FIFAのジェローム・ヴァルク前事務局長らトップのほとんどが辞任に追い込まれた。
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