スイスで特別支援教育を受ける児童生徒の割合は4.8%で、男子の数は女子のほぼ2倍に上ったことが、連邦統計局の最新の統計で分かった。
このコンテンツが公開されたのは、
同局が30日に発表した2018~19年の統計によると、義務教育課程(~15、16歳)の児童生徒95万人のうち、特別支援教育を受けているのは約4万2千人だった。
そのうち約半数は普通学級に通い、残りは特別支援学級・学校で特別支援教育のみを受けているという。
特別支援教育を受ける男子生徒の割合は全体の6.1%と、女子生徒の3.3%よりも高い。国籍別では外国人が6.4%と、スイス人の4.1%を上回った。
インクルーシブ教育
同局は「15年ほど前から、特別支援を必要とする児童生徒が普通学級に入るケースが増えている。子供たちはそこで特別な教育支援を受ける」と説明。このため特別支援学校に入る児童生徒が以前より減っているという。
連邦制のスイスでは、教育は州の管轄。このため特別支援教育関連の措置は各州で異なる。特別支援教育を受ける児童生徒の数も、州によって0.4~6.6%と開きがある。
州によっては、特別支援を必要とする子供たちを普通学級に通わせるインクルーシブ教育を取り入れている。
おすすめの記事
おすすめの記事
インクルーシブ教育の成功
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは障害を持つ子供の多くが通常の学校に通うが、そこには大きな地域差がある。それでも専門家たちは、障害の有無に関わらず同じ教育を受けるインクルーシブ教育がスイスではうまくいっていると話す。
もっと読む インクルーシブ教育の成功
また同局によると、特別支援学校の9割は都市部か都市部周辺に集中。スタッフの84%は女性だった。
おすすめの記事
スイスの核廃棄物処分場計画、反対派が国民投票計画
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ州の放射性廃棄物処分場建設計画が、正式な認可が下りる前から反対運動に直面している。
もっと読む スイスの核廃棄物処分場計画、反対派が国民投票計画
おすすめの記事
ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
このコンテンツが公開されたのは、
ビートルズのジョン・レノンさんが殺害される2カ月前にオノ・ヨーコさんから贈られ、その後盗まれた腕時計について、スイスの連邦最高裁判所はオノさんに時計の完全な所有権があるとの判決を出した。
もっと読む ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
おすすめの記事
スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス証券取引所を運営するSIXグループは11日、英国の証券取引サービスプロバイダー、アクイス・エクスチェンジを買収すると発表した。今後、多角的取引システム(MTF)に参入する方針だ。
もっと読む スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
おすすめの記事
2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は12日、2022年の1世帯平均の可処分所得はひと月6902フラン(当時レートで約95万円)だったと発表した。前年からほぼ横ばいだった。
もっと読む 2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
おすすめの記事
CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
このコンテンツが公開されたのは、
今月30日、ロシアの研究機関とジュネーブに拠点を置く欧州原子核研究機構(CERN)との協力協定が終了する。研究者はCERNのプロジェクトに影響を及ぼすと警告している。
もっと読む CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
おすすめの記事
女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・バーゼル大と英ダラム大が1989年から2002年の間にスウェーデンで初等教育を修了した75万人以上の生徒のデータを用いて行った調査で、女子生徒の方が多いクラスを出た女性はより多くの収入を得る傾向があることが分かった。
もっと読む 女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
おすすめの記事
11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアルプスで、季節外れの暖かさが続いている。スイスで最も標高の高い地点にあるユングフラウヨッホでは観測史上最高を記録した。
もっと読む 11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
おすすめの記事
スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで肉食をやめる人が増えている。植物性食品を推進するスイスベジ協会(Swissveg)は30日、スイスのベジタリアンやビーガンの数は過去5年間で約40%増加したと発表した。
もっと読む スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
おすすめの記事
スイスを縦断するツルが過去最多
このコンテンツが公開されたのは、
スイス鳥類研究所によると、スイスでは今季、はやくも過去最多のツルが観察されている。なかには約800羽の大規模な群れもみられた。
もっと読む スイスを縦断するツルが過去最多
おすすめの記事
「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州ルガーノの州刑事裁判所は23日、利己的な動機で他人の自殺を手助けしたとして、自殺教唆・ほう助の罪に問われた同州の元看護師の女(67)に条件付き罰金刑を言い渡した。
もっと読む 「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
続きを読む
おすすめの記事
外国から迎えた養女に発達障害 「みんな同じで、みんな違う」
このコンテンツが公開されたのは、
マナレカさんは8歳の女の子。スイス南部ティチーノ州の養親の元で暮らしているが、会話も計算も苦手だ。家族にとって、こうした発達障害の子どもの対処は容易ではないが、マナレカさんの養親は学校から手厚いサポートを受けることができた。
もっと読む 外国から迎えた養女に発達障害 「みんな同じで、みんな違う」
おすすめの記事
聴覚障害のある子供たちのニーズに応える
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは、ろうの子供の多くが一般の学校に通う。しかしスイスろう連盟によると、その大半が苦労しているという。同連盟は、手話と口話(聴覚障害者が、相手の音声言語を読話によって理解し、自らも発話により音声言語を用いて意思伝達を行うこと)に同等の比重を置いた、よりバイリンガルな対応を求めている。
もっと読む 聴覚障害のある子供たちのニーズに応える
おすすめの記事
スイスの教育現場に警鐘 急増するバーンアウト教師
このコンテンツが公開されたのは、
長時間勤務、終わりのない事務作業、対応の難しい生徒とその親。これらすべては教師がバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥る原因だ。スイスのフランス語圏で行われた最新の調査で、教師の約40%がその危険にさらされていることが明らかになった。
もっと読む スイスの教育現場に警鐘 急増するバーンアウト教師
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。