2019年のスイス国内の新規医師4千人のうち、約4分の3が国外から来ていることが分かった。独語圏の日曜紙NZZ・アム・ゾンタークが報じた。スイスの医療システムが外国からの医師に大きく依存していることを示す一例だ。
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同紙によると昨年、スイスで医師として働く、または卒後研修を受けるためにスイスの医療職制度外部リンクに新しく登録された医師資格の人は約4千人だった。このうちほぼ4分の3にあたる約2900人が国外の大学を卒業していた。
同紙によると、国内の外国人医師の数はスイスが欧州連合(EU)との間で締結した「人の移動の自由」協定により、過去10年で増加している。
外国人医師はドイツ(1208人)、イタリア(352人)、フランス(258人)の近隣諸国出身者が大半を占める。東欧からも多い。ルーマニアからは過去10年間で10倍に増え、昨年は150人近くに達した。
依存
連邦内務省保健庁は同紙に対し、この状況は「理想的ではない」と語った。スイス医師会外部リンクの担当者は「私たちは長い間、各国が十分な数の医師を育成する必要があると訴えてきた。スイスが過去20年間、これを無視してきたという事実は今や明白だ」と批判する。
周辺国も同様の問題を抱え労働環境の改善を始めたため、スイスはさらに人員確保が難しくなる、と懸念する。
州保健行政協議会も「海外への依存はシステムを脆弱化する。特に危機的状況下では顕著だ」と語った。
育成強化
現在、国内で働く約3万8千人の医師のうち、約3分の1が国外の大学を卒業している。
連邦政府は2016年、国内の医師育成を強化するため、1億フラン(約110億円)をかけた追加の医学コースなどの措置を設けると発表した。政府は2025年以降、国内で訓練を受けた医師を年間1300人輩出したい考えだ。昨年は1100人で、2018年は約1千人だった。
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