昨年スイスでは、医療費が高いことを理由に2割以上の人が医者にかかるのを断念したという。経済協力開発機構(OECD)が、加盟国の医療制度パフォーマンスに関するデータを比較した報告書「図表で見る医療2017外部リンク」で発表した。
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それによると昨年、診察料や治療費が高いことを理由に医者に行かなかった人の割合はポーランドが人口の33%と最も高く、次いで米国が22.3%だった。
OECD加盟35カ国の医療制度に関するデータと傾向を調査した全220ページの報告書によれば、スイスでも11.6%の人が同じ理由で処方された医薬品を購入しなかったことが分かる。
スイスは医療制度の質の高さに定評があるが、世界で最も医療費が高い国の一つでもある。国内総生産(GDP)に占める医療費の割合は11%で、米国(17%)、オランダ、フランス、ドイツ、カナダに次いで多い。加入が義務付けられている健康保険でカバーされた昨年の医療費は315億フラン(約3兆5700億円)に上る。
報告書によると、全体の医療費支出は米国が最も高く(1人当たり9892ドル、約110万円)、スイス(7919ドル)、ルクセンブルク(7463ドル)、ノルウェー(6647ドル)も高い。
また、2015年のスイスの家計消費の5.3%が医療費だったことも報告されており、OECD加盟国の中では最も多い。スイスは1人当たりの看護師の数が最多(1千人当たり18人)で、医師数(1千人当たり4.2人)も平均以上。
OECD加盟国の15年の平均寿命は80.6歳だった。男性では日本とスペインがトップで、次にスイス(80.8歳)が続く。女性ではスペイン、韓国、日本に次いでスイス(85.1歳)となっている。
報告書では、OECD加盟国では一般的に寿命が長いものの精神疾患や慢性疾患などが増えていることも指摘されている。
(英語からの翻訳・由比かおり)
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